非常に残念なことに、ケイトが捕まえたウサギは数分もたたずに衰弱して死んでしまった。

 瘴気(しょうき)に耐えられなかったのか、それとも他のことが要因なのかはわからない。

 それでも、死んでしまったものはもう元には戻らない。

 暴食の名を戴く姫として、ベルはありがたく食べることにした。

 ケイトへのサバイバル教育を取りやめ、家へ帰る。

 レティは熟睡しているのか、家の中はしんとしていて静かだった。

 この家はベルが特別に注文して建てたもので、防音はもちろん、防臭防菌加工も完璧である。

 キッチンの他に肉を下処理する部屋もあり、その他にも、狭いながら皮を加工する部屋や燻製(くんせい)する部屋なんかもあったりする。

 ベルは暴食姫ではあるけれど、見境なく殺して食べているわけではない。

 彼女にだって、それなりの美学(ルール)がある。

 命をいただく以上、すべてを無駄にしない。皮を加工する部屋があるのは、そのためだ。