ダンスの新星!!~私の秘密は元トップアイドル~
そう律が思った瞬間、新條が叫んだ。

「おい、みんな! これ見てくれよ!」

 大音量で曲をかけ、ダンスを踊りだす。

「あっ、それ知ってる! 新曲のダンスでしょ」
「ミュージックビデオで見たやつだ~。すご~い」

 一人でどんどん注目を集めていく。
 そして、眩しそうに律を眺める。

 ――もしかして、庇ってくれた……?

 律には、そんな新條が初夏の太陽のように思えた。キラキラと輝く陽の光で、周りの人々を照らす。どぎつくないが決して微弱ではない光で、暗い自分まで明るくなったかのように錯覚してしまう。
< 41 / 130 >

この作品をシェア

pagetop