ダンスの新星!!~私の秘密は元トップアイドル~
「わっ、息ピッタリ! 名コンビだねー」

「「名コンビじゃない」」

 また重なった。
 深川さんが目を丸くし、律と新條を交互に見る。

「……付き合ってるの?」

「「付き合ってない!」」

「付き合ってみたらいいのに~。相性よさそうじゃん」

 からかうのはもう勘弁して欲しい。

「もーやめてよ。……でも、どうして深川さんって新條と一緒にいてもそんな落ち着いてるの? 女の子なら誰もがキャーキャー言うのに」

「それは月影さんも一緒じゃん」
「いや、まぁ、そうだけど……」

「私、自分の彼氏が一番かっこ良いと思ってるから! 悪いけどアサヒくんにあまり興味ないのよ」
「へー、よっぽどラブラブなんだな」

 新條が感心した様子でそう言った。
 まーねー、彼氏は他校生だからかなか会えないけど……と深川さんは呟いた後、

「あ、こうしちゃいられない、衣装制作しなきゃっ! 二人が史上最高のダンスを誕生させるなら、私は史上最高のダンス衣装をつくって見せる! 体育祭、一緒に成功させようね!!」

 決意表明のようにそう言い、ガッツポーズをしながら去っていった。まるで台風一過のようだ。

「ありゃ祭りごとでテンション爆上がりするタイプだな……」
「だね。燃えてたね……」

「俺も頑張ろ」
「私も頑張ろ」
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