2章・めざせ転移門~異世界令嬢は神隠しに会う。

冒険者ルークとの迎合を思い出す

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ウーリウ藩島の
スタンピード、、魔獣集団暴走は
海からやってくる。

それらは何れも
ウーリウ藩島の
海底ダンジョン溝から
溢れる
大型の海魔獣ばかりだと、
マイケルは
異世界に飛ばされ
10日たった時に
知った。

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**゜**・゜Namoみほとけの bhagavateちかいも bhaiṣajyaguru
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古海蛇*ヨルムンガンド
海豚人・スキュラ
大海蝎・ポリプス
奴目鯨・ワープール
巨大ヱイ・ロッカス
梟竜・ゼフィアス
深海蛸・クラーケン

普段は食糧や素材に使う
海洋生物が
魔力で凶悪巨大化し、
残忍な海魔獣に
メタモルフォーゼする。

但し
狩り捕れば、
体内核から
巨大な魔獣石が採れる為、

一度スタンピードが起これば
海沿いにある
ラジのギルドから
サイレンが鳴り響き、
腕利きの冒険者や
格闘出来る巡礼者が一斉に
海に出る。

ルークは、
そんなスタンピードを制圧する
冒険者の1人。


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**゜ふかき**・゜ vaiḍūrたにみずはyaprabharājāya **゜**・゜゜**・

何時もと変わりなく海底遺構を
素潜りしていた
マイケルは

突然
海面に鳴り響いたサイレンと、

『え!!何?!何なんの!』

ヤオの叫び声に

『マイケーしゃん!ピートなの』

訳もわからず
驚いた。

『 もとは神山だったから、
魔物なんか出ないって思った
のに海からって嘘でしょ!』

マイケルが
ヤオの焦る声に
慌てて浜に上がろうとした
途端、
山の様に
海がせり上がって、
体が波ごと持ち上がる。

『うあーー!』
『マイケーしゃん!』

現れたのは
人型の胴体についた
4本の触手をうねらせて
嘴がある
竜ともサルともつかない
異形の巨大獣!!

『何!コイツ!?』

『ラーケン!なの!』

マイケルは初めて見る
異形海獣に
目を見張りつつ、
海水から脱出し
全力で波を蹴って走った。

クラーケンは
海から丘に逃げる
マイケルを捕獲しようと!!

『ヤオーっ!!逃げてーー』

ギューーーーンと触手を伸ばす!

波際で待つ、ヤオを
さらに丘へ上がれと叫ぶ!!

『いやああああああああ!』

その刹那
鰭様の大小の突起物がついた
触手4本全部が

『カッ!!!』

一気に薙ぎ切られたっ!!

バジャバジャーン。

うねる巨大触手がバラバラと
水に落ちる、
次の瞬間

『ドビュン!!』

クラーケンの頭が跳ねられ
そのまま、
飛んだ頭の開口部から
1人の男が
続けて
クラーケンの体内に飛び込み
内側から
刻んだクラーケンが
飛び散ると
びちゃびちゃっと音を立てて、
只の肉片になる。

男は、
真っ黒の墨を身体中に
滴らせ、
氷の様な顔のまま
血濡れた
クラーケンの核。
魔獣石を片手に握っていた。

『嘘でしょ、、ミンチって、』

マイケルは
ヤオを抱え浜辺で転がり
縮めていた体を起こすと、
目の前のクラーケンの惨状に
絶句した。

男は、
波で魔獣石の血を洗うと、
また、
盛り上がる波の山を
見据える。

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tathāgatāya やまいをarhate**゜**・゜ samyaksamいやす**゜**・**゜

ウーリウ藩島のスタンピードは
まるで
巨大な津波の様に
次から次へと
巨大海獣が浜辺に
押し寄せる。

『マイケル、大丈夫か。初めて
だろう?これだけの魔獣を見る
のは。お前は、魔力がないから
奴らを狩れない。海に潜る時は
スタンピードには気を付けろ』

見ると、何時の間にか
ギルドの長ラジが
副長レサを連れて立っている。

『マイケル、良かったな!ルーク
が気が付かなかったら、お前さ
ん今頃クラーケンの胃ん中だぞ。
さ、仕事だ仕事!!魔獣石は
出張で買い取るぞー!!おら!』

レサは、片眼鏡を直して
大きな袋を広げる。

見れば鑑定係や、
会計事務をするマモの父親も
手提げ金庫を持って立っている。
スタンピードは
ギルド総出。
浜から殲滅し漏れた海魔獣は
ラジ達が排除する。


『まあ、1番殺るが多いのは
ルークだろう。ギルドNO1だ』

魔獣の殲滅風をはらんだ
鬣をなびかせラジが
マイケルに指し示す先には
無数の冒険者達の
先頭で、

自分を助けた
男が、
新たな巨大獲物を
肉片にと散らし続けていく。

圧倒的な魔力を見せつけながら
海魔獣の血肉に濡れる
長茶髪に長身、
頬に傷を持つ男が

『冒険者ルークね。』

それがマイケルとルークの
出会い、、、

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buddhāya**゜**・゜ tadyathā oṃ bhaiṣくすりajye bhaiṣajye**゜**・゜ mahābなりけりhaiṣajya-samudgate**゜**・゜ svāhā**゜ **・゜*゜**・
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祈祷師の祈りが
マウント・ブコクの洞窟に
響き渡り、
幾つもの石仏が鎮座し、
薬護摩が焚かれる。

ルークがマイケルがみる
炎に照らされた己が傷に
手を当て、

「ああ、傷は大丈夫だ。
気にするな。それで明日だろ?
約束していたのは。浜で合流で
良かったか?1の刻だよな。」

囁き声でマイケルに微笑む。

「うん、悪いね。ちゃんと、
お礼は払うから。よろしくね」

マイケルは片手を握手に
祈祷に遠慮をしながら差し出す。

「うー、ヤオいきたい。」

ヤオがルークの胡座に
抱かれながら拗ねている。

「すまんな、ヤオ。さすがに、
ヤオをダンジョンまで連れて
行けない。留守番しろ。」

モフモフとヤオの巻き毛 を
宥めて、ルークが
マイケルの手を取り握手をする。

ウーリウ藩島に飛ばされ
半月。

魔力のないマイケルは、
冒険者ルークの力を付加して
もらい、

海底ダンジョンに明日
はじめて潜る。


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