ロート・ブルーメ~赤花~

研究者

 日が高いうちに見ても、やっぱり魔女の家っぽい。

 ポツンと建っている叔母さんの家は、昼に見ても黒さが際立っていた。


 ピンポーン


 インターフォンを鳴らしてもしばらくは何の反応もない。

 二度目でやっと叔母さんの声がした。


『……なぁに……? こんな早くから……』

 寝てたんだろうか、声がかすれている。


 でも早くからって……。


「美玲、美桜を連れてきたぞ? あと、もう昼近い」

『んー? 紅夜? って……美桜!』

 やっと覚醒(かくせい)したのか、あたしの名前を呼んだところで声がハッキリしたものになった。


 バタバタと玄関近くに音が聞こえてきて、勢いよくドアが開けられる。

 そのドアにぶつからないよう、紅夜がさりげなく引き寄せてくれた。


 そんな仕草に不覚にも心臓を跳ねさせたけれど、出てきた叔母さんの姿にギョッとする。


 髪はぼさぼさで寝ぐせがひどい。

 眼鏡は急いで引っかけてきただけなのか少しずれている。

 そして服装が……。


「お、叔母さん!? なんて格好で出てきてるの!?」

 彼女は、大き目のスウェット一枚を着ているだけだった。


 大き目だから胸元が結構開いてて下着が見えかけてるし、年の割に綺麗な美脚も惜しげもなくさらされている。
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