ロート・ブルーメ~赤花~

ずっと一緒に



 念のため精密検査などもしようということで、あたしはさらに三日ほど入院する。

 問題はないと判断されて退院する頃には、年末が近づいていた。


 テストもみんなとは別に一人で受けて、紅夜のおかげもあって無事に赤点を取らずに済む。

 そのお祝い、と言うわけではないけど、クリスマスの今日は紅夜の部屋でパーティーをすることにしていた。


 叔母さんと隆志さんと。

 紅夜にとっては初めての、家族揃ってのクリスマスパーティー。

 そこにあたしがいても良いのかと聞いたら、「もう家族同然だろ?」と素で言われた。


 叔母さんと隆志さんにもぜひ一緒にと言われたので、参加させてもらうことにした。


「もしかして美桜も自分の家族と祝いたかったか?」

 と後で紅夜に聞かれたけれど、クリスマスもお父さんは帰ってこられない。

 それにお母さんにはもう紅夜とのことを話していたから、むしろ行っておいでと言ってもらえた。


「うちの家族とは正月に一緒に過ごすから大丈夫。流石に年末年始はお父さんも帰ってくるから」

 そう伝えて、クリスマスの準備をした。


 あたしと紅夜は先に紅夜の部屋で料理やツリーの準備を始める。

 この部屋にはもともと叔母さんと隆志さんだけは入れるようになっていたらしい。

 だから、二人は後から来ると言っていた。
< 227 / 232 >

この作品をシェア

pagetop