ひそひそと。なのにはっきりと。嘲りの声が耳に飛び込んでくる。

「孤児のくせに魔力が発現して、男爵家が引き取ったとか……。あー、いやですわ。庶民臭くてかまいませんわ」

 フローラはきゅっと身を縮めた。

 場違いなのは誰よりも自分がわかっている。本当はパーティなんか出たくなかった。

 けれども、あまりに早く帰ったら心優しい男爵夫妻を心配させてしまうかもしれない。それに、もしかしたら仲良くなれる人がいるかもしれない。ほんの少し、ちょっぴりだけ、そんな期待を抱いてしまった。それがすべての間違いだった。

(私がバカだった……)

 後悔を抱いて、フローラは唇を噛む。庶民上がりの自分に話しかけてくれるひとなんかいない。といって、自分から話しかける勇気もない。話しかけられるような雰囲気でもない。