「先ほど申し上げた通りです。大切なお二人に幸せになっていただきたかっただけですもの」

「マージェリー……」

「マージェリー様……」

 セルジュとフローラ、似合いの二人が同時に声を詰まらせる。二人は目配せするように微笑みあってから、控えめに切り出した。

「卒業しても私と会ってくださいますか? これからも仲良くしてくださいますか?」

「フローラは結婚まで城で過ごすんだ。その方が色々と準備も捗るからね。君も時々顔を出してくれると嬉しいのだけど」

 実に主人公カップルらしい真摯な眼差し。これは清純派ですわと妙に納得しつつ、マージェリーはにこやかに答えた。

「喜んで。呼んでくだされば、すぐはせ参じます。もちろん我が家にもお招きさせていただきますわ。フローラ様が大好きな沈丁花の咲く季節に、また一緒にクッキーを作りませんこと?」

「はい!」

 ぱっと笑顔の花を咲かせて、フローラがマージェリーに抱き着く。「あらあら」と受け止めながら、マージェリーは内心でしめしめと小悪魔の笑みを浮かべた。