翌朝、マージェリーはそわそわと待っていた。
否。表面上は落ち着いている。
湯気の立つティーカップを手に優雅に朝の庭園を楽しんでいる、ように見える。
実際には、ガーデンテーブルに座ったその瞬間から、マージェリーはちらちらと朝霧の向こうを窺っていた。まるで誰かが現れるのを期待しているような、一方で現れるのを怯えているような目だ。
――その時、待ち人が来た。
「おはよう」
(ひぅっ!?)
響いた低い声に、ぴくんと肩が揺れる。ちょっぴり紅茶が揺れてしまったが、これくらいなら許容範囲だ。そう自分を励まして、マージェリーはにっこり微笑み、ユリウスを振り返った。