約束の日はいい塩梅に雲ひとつない快晴になった。
気温も暑すぎず寒すぎずで、絶好のピクニック日和。木漏れ日はきらきらと光り、小鳥は楽しげに囀り。シチュエーションとしては、抜群の条件が重なっている。
そんな中。
「うわあっ! 綺麗な湖!」
緑道を抜けた先、青空の色を映した澄んだ湖面が広がるのを見て、フローラが声を弾ませた。亜麻色の髪の上に大きなリボンのついた帽子を被り、白いワンピースを合わせたカジュアルなスタイルだ。
「湖面がまるで、森を映す鏡のようでしょう。ですから、鏡池と呼ばれているんですよ」
目をキラキラさせるフローラに、マージェリーもにっこりと答える。こちらも、つばひろの白い帽子に淡いラベンダー色のワンピースを合わせた動きやすい装いだ。胸元に覗く紫水晶のネックレスと、ぴたりと色が合っている。