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 聖ルグラン王国の貴族子女らが15歳からの3年間を過ごす、由緒正しき王立学院。その卒業パーティが、ホールで盛大に執り行われていた。

 貴族が通うだけあって、学院と名がついているものの、建物はちょっとした城のように豪奢な造りだ。けれども今宵、一段と会場が華やいで見えるのは、著名な芸術家が手掛けた内装のためではないだろう。

「無事この日を迎え、ホッとしますな」

()()()を送り出すことができ、鼻が高いというものですねえ」

 先にホールで待つ教師陣が、グラスを手にひそひそと囁きあう。その表情に浮かぶのは、一様に誇らしげな笑顔。そうやって彼らは、今宵の()()を待つ。

 その時、在校生たちがわっと歓声を上げた。

「ご覧になって! 先輩方ですわ!」

 赤い扉が開かれ、卒業の証しを受け取ったばかりの卒業生たちが姿を見せる。拍手が盛大になる中、卒業生たちは男女ペアになって優雅に行進する。

 ラスト、輝く金髪頭の背高の生徒が現れた途端、拍手は一層大きくなった。