「やっぱりマージェリー様、陛下のことが大好きですよね?」

 ニコニコと告げられた内容に、マージェリーは一瞬きょとんする。遅れて理解した途端、彼女はぎょっとして思わず叫んだ。

「え、ええっ!?」

 ちらっとユリウスがこちらを見た気配があり、慌てて口を塞ぐ。そろりと窺うと、彼は不思議そうに首を傾げたものの、またすぐ木立に視線を戻した。

 大丈夫。会話の内容までは聞こえなかったようだ。胸を撫でおろしつつ、マージェリーは先日と同じ言い訳をした。

「ち、違いますってば! 私は、宰相の娘として役目を果たしているまで。決して、ユーリ様に特別な感情を抱いているわけではありませんわ」

 卒業式の夜の『失敗』は、フローラにも秘密である。加えて、死亡フラグを回避しきるまでは、ユリウスとの関係も保留にしたい。