「お弁当、オープン!」
楽しげなフローラの声に合わせて、バスケットに被せられていた布がふわりと取り払われる。
現れたのは山盛りのサンドイッチに、フルーツたち。もうひとつのバスケットには、こんがり焼き色のついたミートグラタンがほかほかと美味しそうな湯気を立てている。
覗き込んだユリウスとセルジュのふたりは、同時に「おおー……」と感嘆の声を上げる。
心なしか目を輝かせてみえるふたりに、マージェリーとフローラはそれぞれえへんと胸を張った。
「正真正銘、私たちが手ずから用意した手料理です。ノエル家のシェフの監修つきですので、味は保証できますわよ?」
「開けた瞬間楽しくなるお弁当にしたくて、色合いにもこだわったんです。マージェリー様とふたり、たくさん話し合って作ったので、とーっても楽しかったです」
「たしかに美味しそうだな」
「それに彩りも綺麗ですね」