びっくりしたように目を見張るユリウスの腕を、ぎゅむりと拘束する。引っ張られるようにして身をかがめた彼の耳に、マージェリーはひそひそ声で訴えた。

「お忘れですか!? あの夜に起きたことはお二人にも秘密! 秘密ですのよ!?」

「は? いや、待て。そこを話すつもりはない。だから落ち着いてくれ」

「落ち着いてなぞいられますか! ユーリ様に任せておいたら、いったい誰に何を言い出すやら」

「君の俺に対する信用はゼロか!? 大丈夫、大丈夫だから」

「ですが!」

「それに、その」

 尚も言い募るマージェリーを、ユリウスが遮る。「はい?」と訝しむマージェリーに、彼は困ったように眉を八の字にし、ちょっぴり顔を赤らめて続けた。