「お二人、楽しそうに話していますね」
彼岸を眺めながら、フローラが風になびく髪を押さえる。
ところ変わって、こちらはシートに残った女子2人組。お腹もいっぱい、お花も綺麗ということで、座ったままのんびりとぽかぽか陽気に照らされている。
同じくユリウスたちを眺めながら、マージェリーも頷いた。
「色々と積もるお話があるんでしょうね。さっきから、あの場所から動かずずっと話しっきりで。……よかった」
ほっと、心から言葉が溢れる。
遠目ではあるが、ユリウスとセルジュの間に流れる空気は柔らかだ。少しづつではあるけれども、互いに欠けた時間を埋め合わせるように、ゆっくりと言葉を重ねている。