セルジュが何かを言い、ユリウスが目を丸くする。一瞬遅れて、彼は艶やかな黒髪を揺らして、楽しげに笑う。

 そんな穏やかな光景に、マージェリーはぶわっと胸の中が熱いもので溢れた。

(よかった。よかったねえ、ユーリ様……!)

 推しの幸せ、めちゃくちゃ尊い。いや、もはや彼は推しなのだろうか。毎朝頑張っている姿を見守ってきたのも相まって、気分は息子の成長を喜ぶお母さんである。

 うちの子、よく頑張った! そんな風に、マージェリーはうるうると滲む視界をそっと拭った。

"――マージェリー。私も君みたいになれるだろうか?"

 不安と期待に瞳を揺らしながら、剥き出しの心を打ち明けてくれたユリウスの姿が瞼の裏に甦る。

 彼がなにをもってして、マージェリーのようになりたいと言ったのかはわからない。だが少なくとも、ユリウスは勝ったのだ。