二人が微笑みあったその時、ふいに強い風が吹いた。

「あっ!」

 フローラが小さく叫ぶ。ふわりと風に乗せられ、白い帽子が飛ばされたからだ。

「待って!」

 慌てて立ち上がり、フローラが帽子を追いかける。けれども二度三度、再び風に舞い上がってしまい、なかなか捕まえることができない。

 あっちにあわあわ。こっちにあわあわ帽子を追いかけるフローラに、やがてマージェリーも立ち上がった。

「大丈夫ですか? あ、ほら! 今度はそちらに!」

「ぜ、全然捕まえられないです〜っ」

 情けない声をあげて、フローラはよたよたと帽子を追いかける。それがなんだか可愛くて、やれやれと苦笑しながらマージェリーも追いかけた。