(それがこの様とか! 昨晩の自分を切実に殴りたい!)

 衝撃冷めやらぬまま、マージェリーは頭を抱えた。

 現実逃避に前世など思い出してしまった。いい加減、絶望的な現状に目を向けなければ。そう自分を叱咤激励し、マージェリーはそろりと深い蒼色の瞳を隣に向ける。

 すると、ユリウス陛下が艶然と微笑んだ。

「怯えた目をしてつれないな。昨晩はあんなに素直だったのに」

(無理!!)

 戦略的撤退を決め込み、マージェリーは再び縮こまった。

 王は緩やかにローブを巻き付けてはいるが、どう考えてもその下は裸だ。幸いマージェリーもネグリジェを着てはいるけど、だからと言ってなんの安心にもならない。

 なんといっても、年頃の男女が一晩同じベッドで明かし、朝を迎えたのだ。これ以上決定的な証拠があるだろうか。