狐に近い形をした魔獣。群れで生息し、集団で獲物を追い詰める狩の熟練者。

 --この森には、決しているはずのないモノ。

 浮かび上がったのは、それら魔獣の群れからマージェリーたちが必死に逃げる姿だった。

「マージェリーが危ない」

「……え?」

 低く唸るように呟くと、セルジュが表情を強張らせた。真剣に食い入るような見つめる空色の瞳に、ユリウスは鋭く叫んだ。

「お前の婚約者もだ。着いてこい、セルジュ!」

「はい!」

 言うが早いか、ユリウスは『視えた』方角に向かって勢いよく走り出したのだった。