夢を見た。

 たぶん前世の夢だと思う。

 前世で借りていた賃貸のマンションの一部屋に自分はいて、ソファに寝っ転がって本を読んでいる。

 手に持っているのは『シンデレラは突然に』の4巻。第二部である花嫁修業編の後編だ。

 お気に入りのだぼだぼのパーカーワンピを着て、無造作に髪をお団子にして。ティーパックで紅茶だけ用意して好きな本を読むのが、休日の至高の幸せタイムだった。

〝っ、うっわ~~~! ユリウス様、マジ尊い! 守りたいこの笑顔!〟

 開かれたページはユリウスとセルジュの和解シーン。挿絵の破壊力にやられて、ごろんごろんとソファの上をのたうち回る。

 ああ、なんで。作者様は、このままユリウスを幸せにしてくれないのだろう。どうして彼に不幸な道を歩ませてしまうのだろう。