「――マージェリーに触れるな」

 あの時と同じ、鋭い閃光が牢に走る。

 続いて聞こえたのは、くぐもった悲鳴とばたばたと人が倒れる音。

 恐る恐る目を開いて、はっとした。

 目の前には背中がある。マージェリーを庇い、すさまじい魔力を迸らせた黒い背中がある。

「俺のマージェリーに、汚らわしい手で触るな!!」

 尻尾をゆらりと揺らめかせ、赤い瞳に怒りの炎を燃え上がらし。

 王は、ユリウスは、そのように吠えたのであった。