はあ、はあ、と。

 荒い呼吸が耳元で響く。

 苦しげなユリウスの背中を撫でながら、マージェリーは懸命に呼びかけ続けた。

「ユーリ様。聞こえますか、ユーリ様」

 彼から返事はない。聞こえてはいるのだろうが、今にも噴き出そうとする魔力の渦を押さえ込むので精いっぱいのようだ。

 そんな中、セルジュに肩を引かれた。

「マージェリー、君も避難しないと!」

「ですが!」

 とっさに反論しかけて、マージェリーは言葉を呑みこんだ。

 ――ユリウスを見捨てたくない。見捨てることなんかできない。そう思っているのは、マージェリーだけじゃない。現にセルジュも、今にも泣きそうな顔をしている。

 でも。だって。

 マージェリー自身、どうしたらいいかわからなくて、呆然と途方に暮れた。