するとエディは、苦笑をして肩を竦めた。
「無茶言わないの。そりゃ、普通は盛大にお披露目するよ? この方が我らが聖女様、ありがたーい存在ですよって。けどマージェリーの場合、認定より先にあんなに華々しくデビューしちゃったじゃない。あれ以上派手な演出、しばらく思い付かないよ」
「う、それは」
ふるふると首を振る兄に、マージェリーも目を泳がす。
たしかに。誘拐殺人を企てた高官の大捕物に始まり、オオカミ王の魔力暴走。あわやというところでの聖女の誕生からの大団円。
あらたまって振り返ってみれば、なんて派手なお披露目だ。小説版もびっくりな派手派手演出だ。
ふむと考え込んでいると「それに」とエディはへらりと笑った。