「どうせマージェリーは、もうすぐ別のお披露目が入るでしょ? いいんだよ、そっちと抱き合わせで。あんまり式典続きなのも、なんかくどいし」

「なんか今日のお兄様、私の扱い雑じゃありません!? お優しいお兄様は一体どこに!?」

「えー? だって、なんか」

 ちらりと視線を泳がせて、エディが笑う。その視線の先にはルグラン国の宰相が――ぐじゅぐじゅに涙に濡れたハンカチを握りしめ、感涙にむせぶ父ジョルダンがいる。

「マージェリー……可愛い天使のマージェリー……。お前が聖女に……本当に立派になって……!」

 ぶつぶつ繰り返す父を指差し、エディは肩を竦める。

「今朝からずっとこの調子で。そろそろ鬱陶しくて」

「申し訳ありません、お兄様。お父様の分も謝りますわ」