ルグラン王国初代王、『ルグランの狼王』。彼は聖獣であるフェンリルに魔力を分け与えられ、王国を統治する力を得たと伝えられている。

 その言い伝え通り、ルグラン王室には何代かに一度の割合で、初代王と同じく獣人に変化する力をもった黒髪の王子が生まれる。その場合、たとえ第一王子でなかったとしても、黒髪の王子が王位を継ぐことになっていた。

 今代ではそれがユリウスだった。けれども彼は、生まれが少々厄介だった。

 王妃との間に長らく子が生まれなかった先王が、夜遊びに連れ込んだ侍女に産ませた子供。それがユリウスである。

 正嫡でもないのに初代王の力をもって生まれてしまった子をどう扱うか。ルグラン王国は割れに割れた。

 最終的には本人の実力でユリウスが王位を継いだわけだが、そこに至るまでのゴタゴタにより、未だにユリウス王とセルジュの間には溝が出来ている。

 ……そんな設定を負って、第二部から登場したユリウス王。何を隠そう、彼はお気に入りのキャラクターだ。