もしかしてフローラだろうか。そういえば庭園で別れた時、部屋に遊びに来たいと話していた。行動力満載な彼女のことだ。さっそく実行に移したのかもしれない。

「はいはい。どなたー……?」

 深く考えず、マージェリーは扉を開ける。――その軽率さを、すぐに彼女は後悔した。

「ほーお? 疲れて休んでいるのかと心配して来てみれば、存外元気そうじゃないか。王のもとに顔も見せず、優雅に部屋でお寛ぎとはいい身分だな」

 出会い頭に皮肉を一発。もはやお家芸のようなそれが、マージェリーに突き刺さる。

 そうやって部屋の前に現れたユリウス王は、今までで一番不機嫌そうな顔を、マージェリーに向けていた。