渉と初めての二人だけの旅行から、あっという間に梅雨が明けてーー夏本番。

都会の肌を刺すような陽射しが痛い。

福井の夏は、梅雨が明けていても僅かに蒸し暑いせいか…ー東京に来て5年経っても、この暑さにはなれない。


「……あっついなぁ……」


梅雨の間は、渉に仕事が次から次へと舞い込んで、こうして渉と仕事帰りに逢ってーーご飯を食べて私の部屋へ帰って来るのは約1ヶ月ぶり。

駐輪場にバイクを停めて、ヘルメットを外した渉が濡れた前髪を掻き上げて呟いた。


暑いね……と、すぐにシャワー浴びる?

一緒に?

なんで?

効率的だから。


なんて会話をしながら、階段を上がってーー

エアコンの効いていない部屋に入ると、陽当たりが良すぎる部屋のおかげで、額に更に汗が滲んで……

渉の額からは、汗が流れ落ちている。

エアコンをつけると、一緒に浴びようよ?と誘われて……


「だから……恥ずかしい」


「今さら?伊織の身体は隅々まで見てるけど」


「……シャワーは別なの!」


「わかんねぇな……つべこべ言わずに入るぞ」


そう言いながら、Tシャツを脱いで。

ズボンを脱ぎ……下着を脱ぎ、裸の渉にーー

ちょっとっ!、なんて抵抗も虚しく……服を脱がされて、下着を脱がされて。

私も裸にさせられる。

もう……!と、抗議しながら服と下着を集めて、お風呂に入る渉の背中を追って、洗濯かごに放り込む。


そんな私を他所に、渉は鼻歌交じり。

シャワーを出した渉に、今の鼻歌って懐かしいよね?


「そうだな。夏になるとさ、必ずラジオで流してる。伊織と学校帰りに、よく歌いながら堤防沿いを歩いてた歌だからな」


「そうだったね!歌いながら、自転車も乗ってたよね?」


「乗ってたな。今度、またやってみる?伊織の自転車で」


したい!と、お互いに髪を洗いながら懐かしさに浸り…ー

身体、洗ってあげようか?

その言葉で、懐かしさに浸っていた時間はーー甘い時間を予感させる。