だけどね……自分で洗えるから、って壁側に逃げるとーー
「約1ヶ月ぶりに……触れたいんだけど。
抱きたいんだけど」
もう……何なんだ!
この欲の焔を宿した妖艶な瞳は。
これに見つめられたら、私が弱いことを渉はわかってる。
悔しいのに……頷いてしまう、触れて。
抱いて、って。
相変わらず私の身体は、意図も簡単に絶頂の階段を駆け上がって……
立って居られない身体は、渉の片腕に支えられて。
壁に手を付いて、辛うじて立てているのに……
「……もう……限界……」
息を大きく吐いた渉の塊が、躊躇なく私の中を貫いてーー腰を掴んで。
いつもより激しく、突かれた中は止まることなく…ービクビクと震えている。
お風呂場に反響する自分の喘ぎ声。
渉の吐息。
「……っ……伊織……ヤバい……抜くから……イカせて……?」
身体の熱と、お風呂場の熱気に浮かされて…ー渉に言われて、ハッとする。
着けてなかった事に。
最初に抱かれた夜は、呑んでたから……私が構わないって言ったからだけど。
渉が私の中へ、避妊もなしに出したのは……あの一晩だけ。
引き抜いた渉のモノを咥えて、愛撫して…ー吐き出された白濁の液体を呑み込むと。
立ち上がらせてくれた渉と濃厚なキスをして、また息が上がる。
そしてーーまた、髪を乾かすのも身体を乾かすのも……そこそこに、ベッドで身体を重ねる。
朝から容赦なく照り付ける陽射しでーー
目が覚めて、お互いの鎖骨から下に無数の紅い華が咲いていて、笑い合った久しぶりの甘い朝のひととき。
幸せ過ぎて、泣きそうになるって…ーこういう事なんだね。
改めて、噛み締めるように渉の胸に擦り寄っていた。