社長はお隣の幼馴染を溺愛している
「他の写真はよろしいのでしょうか」
「朝比! 志茉に奪われる前に、その写真が入った封筒を保管しろ」
「要人、卑怯よ!」

 朝比さんは要人の命令に従い、写真が入った茶封筒を手にする。
 私の隙を見て、イチャイチャ写真を奪い、要人は自分の机に仕舞った。
 それも鍵付きの引き出しへ。

「あ、あなたたち、今の状況をわかっているのっ!? 扇田は本気で、宮ノ入会長に要人さんの浮気現場の調査結果を渡すんだからねっ!」
「もちろん、わかっている。朝比、例のものを」
「はい」

 朝比さんは重そうな茶封筒を持ってきた。
 愛弓さんが持っていた封筒の何倍もある厚さだ。
 その封筒を愛弓さんに渡す。

「扇田さん、中をご確認ください」
「え……? わ、わかったわよ」

 朝比さんの強面に、愛弓さんは気おされたのか、少し怯えながら中を見る。

「なっ……なに、これ……」

 驚いた愛弓さんの手から、封筒が落ちて、中身が床に散らばった。
 愛弓さんの遊び相手と思われる男の人たち、扇田工業の女子社員をいじめる姿――すべて証拠付きで残っていた。
 その上、ラブホテルの利用履歴から、遊び相手の男たちの身上調査もしっかり調査済み。
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