どうしよう――不安になったものの、堕ろす気持ちはみじんもなかった。

どうやったら一人でこの子を育てられるのか。

医師に「おめでとう、妊娠していますよ」と言われた直後から、私の頭はそのことでいっぱいになった。

ニューヨークでは共働きの夫婦が多く、保育園はもとより、赤ちゃんの頃からナニー(ベビーシッター)さんを雇うのも一般的だ。
小学校の放課後も、ナニーさんは活躍している。

だからお金さえあれば、一人でもちゃんと育てられる。

うちのマンションにも、顔なじみのナニーさんが何人かいる。
彼女たちに、いい人がいないか相談してみよう。

おおよその考えをまとめた私は、夕食の席でアレックスに宣言した。

「私、シングルマザーになることにした」

アレックスは、飲んでいたビールでむせた。

「……は? どういう文脈?」

それで私は、あれこれ頭の中でシミュレーションしたことを伝えた。