期間限定マリアージュ~四年越しの旦那様はエリート社長、誓いのキスが子作りの合図~
白昼の蛮行
「もし…クーデターが起こらなかったら…瑠莉さんはルヴァンさんと『ガルーダ』に行って…君を産んでいたかもしれないな…そうすれば…君はアミーラとしてセレブな暮らしを満喫して…俺とは出逢わなかった…」
部屋に戻るなり、浩明さんが切なげにそう話を切り出した。


「浩明さん…」

そうかもしれない…

私と彼は別々の人生を歩いていた・・・
「じゃこの子が私のお腹の中に宿るコトも無かったのね…」

「そうだな…」

「そう考えると実に寂しいな…」

「はい…」

胎動も感じ、ようやくママとしての自覚を持った私。

でも、彼との出逢いは運命だと信じたかった。

「・・・貴方との出逢いは私にとって必然でした…だって、今…とても幸せだから…」

「麻莉・・・」

彼は私を抱き締めた。

二人の間には様々なコトがあった。
その中には悲しい別れもあった。

でも、今は至福の中に居る。

「早く会いたいな…新しい家族に…」

「そうですね…」

二人でまだ見ぬ我が子に想いを馳せていた・・・

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