絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!

第2話

■ 第2話

    ◆ ◆ ◆

 大陸の南西部に位置する国家、アリスベン。ここは別名〝聖なる国家〟とも言われる特別な国家だ。

 この世界は聖なる加護により平穏を守られている。そして、その聖なる加護を世界のもたらす強力な神聖力を持つ者は〝聖女〟と呼ばれ、人々に敬われる存在だ。

 現聖女のマリアーナは現在齢五十歳。年齢と共に持っていた神聖力も弱くなっており、ある日代替わりの神託を受けた。
 その神託を受け、聖協会は国内の五つの地域に一斉に次期聖女候補探しを通達した。それが六カ月程前のことだ。

「して、聖女候補の捜索の進捗はどうなっていますかな?」

 ここは王都チェキーナの大聖堂。厳粛な空気な流れる中、この国で最も権威ある大司教であるメディストが口を開く。

「中央地区チェキーナでは既に神託を受けた女性を発見し、聖女光臨の儀に参加いただくことに合意いただいております。サリエット侯爵令嬢のルイーナ嬢です」
「南部地区カルーナでも、無事に発見してご同意をいただきました。クルトン侯爵令嬢のメアリ様 です」

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