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そんな事があって、検査をしてもらえる場所に次の日行くことに。検査の結果、軽度の障害を持っている事が分かったのだ。その日から、私は障がい者として生きていけと神様から言われたような気がした。青い療育手帳を渡された気分は複雑だ。




何故こんなに辛いのか、当時の私はよく分からなかった。だけど今になってよくわかる。どうしてこんなに、障がい者というハンデを背負いながら生きていくのが辛いのか。






それは、常に「自分は、周りと劣っていて、下の立場の人間だ」と思い知らされるからである。




私の高校は底辺高校。普通科。障がい支援のある学校に行きたかったけれど、受験する時期が気づいた時には遅くて入る事もやむなし。だから、仕方なく今入れる高校に無理矢理でも入ったのだが、そこはいわゆる悪夢の始まり。底辺高校かつ、不良が集まる溜まり場だったのだ。





はみ出し者は容赦なく叩き、自分は偉いと証明する……そんな地獄の様な空間だ。私が「普通の人間」だったら、上手く底辺のクラスメイトとして切り抜けていたと思う。だけど、知的障がい、ADHDをもっている私は立ち回りが恐ろしく悪く、クラスで孤立。一年の時から「あー、なんかこのクラスやばい……」と感じたあの時から、保健室登校になってしまった。





朝の会が始まって、朝の会が終わるまで保健室に居ないと、精神が落ち着かないのだ。普通の授業は出席して受ける。だが、やはり学校が終わると、保健室で一休みして帰るという、かなりダラけた生活だ。




ここの不良学校は、よくいじめがはびこる最低高校。暴力はもちろん、精神的攻撃もある。特にやばいのが、容姿いじめ。




私も廊下を一人でに歩いていた時、それは起こる。廊下を歩いて、この学校で1番タチの悪い教室を通り過ぎる時だった。





バンッと大きな音がして、横を向くと、男性性器がもろに描かれた紙を私に向けて、窓に貼り付けてきたのだ。私はビックリして、急いで速足で通り過ぎようとした。その時、言われたのだ。





ーーあいつ、性器見せただけであんなにびびってる。w




ーーそんなにビビらなくても、裸で相手してくれる男なんて世界中何処にいてもいないのに。何そんなにびびってんの?wびびってるって事は、相手してくれる男がいるって事?w





ーーわぁ、キモ。あんな女、ヤマンバみたいなのに。自分が可愛いと思ってんのかよw





普通ならここで、「男子はバカだから」と割り切れるだろう。だけど、私はそうはいかない。





ーー「あぁ、私はこの人たちよりも、立場は下で、使えない、役に立たない、障がい者なんだ」と思い知るのだ。





今笑っている、不良たちは「普通」の人間で、私はその人達よりも立場の低い「障がい者」。頭がおかしくなりそうだ。




そんな事が、日常茶飯事だと言わんばかり起こるのだ。いじめてくる相手は「上」。私は「下」、いや下手をしたら、その「下よりももっと地下」。





そんな比較する日々が毎日続いている状態だ。ストレスが溜まって、保健室に行ってしまうのも無理もない。障がい者はこうやってみんなの見えない所で戦っている。自分自身が、以下に他人と比較しないかという戦い。まぁ、こんな事言ったとしても、分からないだろうけど。







ーージリリリッ。





目覚まし時計の音がした。私は目覚まし時計を止めて、薄っすらと目を開ける。私の部屋の小さな窓から、日が差している。空は嘘みたいに真っ青。




私は、珍しくベットから這い上がり、自分の机へ近寄った。




保健室の先生、愛野先生に紹介してもらった「放課後デイサービス」、「障がいを持っている人たちが集まるサークルのパンフレット」を見る。





こんなに苦しいのなら、早く行動していればいい話。だけど私は行動しない。行こうという気になれないのだ。なぜなら……。




ーー私は、アイツらより「下の地下の人間じゃない」。





そう頭の中で、自分の声が聞こえるからだ。