激しい風を全身を感じていたのは、ほんのわずかの間のことだった。

唐突に風がやみ、足が地面につくのを感じてリズはハタとする。目を開けると、たった一人きりでいた。

「こ、ここ……どこ?」

そこは白い底と、虹色がかった白い光が頭上に広がっている。

空もなければ、地面もない、といった空間だった。ぼんやりと光っている先も、続いているのか別の何かがあるのか全く分からない状況だ。

「地面は確かにあるみたいだし、随分広い場所ではあるのかしら」

手で叩いてみると、コツコツと硬質な音がする。先程までカルロに騎獣して空の上にいたのに、気づいたらこんなところにいるだなんて不思議だ。

いや、不思議なことは、白獣の女王に会った際にも体験している。

これも魔力による〝魔法〟だ。

それに今は、そんなことを考えている場合ではない。魔女が話をしようと距離を縮めてきたのも、邪魔をさせないためだったのだろう。そしてリズたちを、まんまとここへ閉じ込めた。

「た、大変っ、みんなを探さなくちゃ!」

王都の人たちを永遠に眠らせ、この世から土地ごと消し去る。

それがどんなものなのかは想像もつかないが、王都滅亡の危機だ。

王都中から生命エネルギーというものを集めて、魔女はその大きな魔法を起こそうとしている。急がなければ。