僕は、心の中の君と永遠に…

変わっていく日常

「あと持って一年だね…」
高三の春休み入ったばかりの頃、医者にそう言われた。
僕は、数年前から心臓の病気を患っている。でも、患った時のことはあまり覚えていない。
小学生の頃、道端でいきなり倒れて目が覚めたら視界が白かったから天国に来たのかと思ったけど、実際は病院のベッドの上だった。
僕が倒れてすぐ、近くにいたお姉さんが救急車を呼んでくれて病院に運ばれたらしい。
そのお姉さんにはお礼はしたけど顔はあまり覚えてない。命の恩人に対して失礼だとは思うけど仕方ない。
それからは1年に1回あるかないかで数値がおかしい時があるので、入院と退院を繰り返している感じだ。でも、入院する時はだいたい春休みだったり、夏休みだったりするから割と助かってる。それ関してだけは、運がいいと思う。
入院中は母親以外お見舞いには来てくれない。でも、病気のことを両親以外には話してないから仕方がないとは思う。父の方はと言うと随分前から会っていない。僕が父を避けているというのもある。
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