秘め恋ブルーム〜極甘CEOの蜜愛包囲網〜
Bloom 11 あなたとの恋路は縁のもの
春は瞬く間に過ぎていき、私がドゥシュールで働くようになって二ヶ月が過ぎた。


麻布十番店と恵比寿店でのアシスタント業を無事に終え、先週からオーナーのもとで学ぶために南青山店に出勤している。


「さっきまたハサミを引っかけてたね。メンテナンスが苦手みたいだけど、他では合格をもらったわけだし、できてたはずだよ」


閉店後に残り、オーナーとマンツーマンでマネキンの髪を切り終えたところで、昨日と同じダメ出しをされてしまった。


メンテナンスとは、枝毛や切れ毛を中心に綺麗に切って整えること。
髪に対して滑らせるようにハサミを入れるのが昔から苦手で、学生時代も美容師になりたての頃も随分とこれで苦労した。


ただ、麻布十番店と恵比寿店では必死に練習して合格をもらえたため、研修期間も三ヶ月目に入った今になってできないのはよくない。


「焦らなくていい。今見てる限りでは丁寧にやればできるはずだ」


正直、できないのは精神的なことが大きい。オーナーの前だと緊張しすぎるのだ。

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