冷徹御曹司の最愛を宿す~懐妊秘書は独占本能に絡めとられて~
プロローグ



「しゃ、社長……? 何するんですか」

高級マンションの一室に、女の慌てふためく声が響き渡る。

「俺はただの上司で、あいつは男……口にするのも腹がたつ」
「あ、やっ……」

言いながら男は女に覆いかぶさる。そして噛みつくようなキスを落とした。

「んっ……しゃ、ちょう……っ」
「あんな男のことなんて、忘れろ」

(……ただの社長と秘書の関係だったはずなのに、どうしてこんなことに)

「俺だけを見てろ」

女は男の腕の中で、一夜だけの花を咲かせた。




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