冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
とんでもない弁護料
土曜の十時半に指定された住所に向かったが、そびえ立つタワーマンションに目を白黒させた。


「すごすぎ……」


部屋番号【3701】から推測するに、三十七階に住んでいるのだろうとは思っていたけれど、いざ目の前で見ると気圧される。

弁護士報酬からしてお金持ちに違いないと想像していたものの、腰が抜けそうになる。

おそらく年齢も三十歳前後だろうし、その若さでこのマンションの上層階を買えるとは。
いや、賃貸?
賃貸でも家賃百万とかしてもおかしくなさそうだけど。

退職して八万二千円の家賃が厳しく、引っ越しを考えている私からしたら、雲の上の人だ。

エントランスでチャイムを鳴らすと、『フロントでエレベーター用のカードキー借りて上がってきて』と淡々とした返事がある。

どうやらこのマンションにはホテルのようにフロントがあり、コンシェルジュがいるらしい。
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