冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
かわいい嫉妬
彬さんのマンションから一旦自分のアパートに帰ったものの、にやけながらベッドに腰かけているだけでなにもできない。

『七緒が好きだ』と告白されたときの彼の真剣な顔を思い出しては、うれしさと恥ずかしさに悶絶している。

その前に二度もプロポーズされていたわけだが、絶対に冗談だと思っていた。

一度目は軽かったし、二度目は児玉さんから逃れるために、偽の婚約者に仕立てられたのだとばかり。

しかしどちらも本気のプロポーズだったらしく、難しい法律用語はスラスラ出てくるのに、あまりに不器用な彬さんがかわいらしく思えた。

いやでも、あれじゃあわからないでしょう、普通。


「大丈夫かな、私」


長く付き合った末の結婚ではないため、まだ彬さんのことをよく知らない。

下川部長を追いつめたときの視線は鋭く、相手にまったく隙を与えない優秀な弁護士の片鱗を見せつけられた。

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