溺愛ウエディング～最後の夜に授かった赤ちゃんは社長の子、もう二度離さない～

追い詰められて

加那斗side~

一瞬、裕美の言葉が信じられなかった。

七海は俺の顔を見ようともせず、トレーを持ったまま給湯室に引っ込んだ。

マジか・・・俺は七海に騙されたキモチになる。

後頭部を鈍器で殴られたように強い衝撃を受けた。


堅物秘書で社内では通っている七海。
そんな、七海が元風俗嬢だなんて、誰も思わない。
俺だって思いたくない。
考えるだけで吐き気がする。

「ショックのようね…加那斗…」

「・・・うるさい…もう帰ってくれ!!仕事の邪魔だ…」

「・・・彼女の過去を知っても…まだ・・・付き合うつもり?加那斗」

「・・・事情があるんだ…そんな仕事しなければならない…事情があったんだ…」

俺はそうやって同じ言葉を繰り返して、自分に暗示をかけた。