相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
蜜月のはじまり
あの恐怖のプロポーズから三ヵ月後、私達は結婚式を挙げた。
場所は『ドラゴンホテル・東京ベイ』

「遥…めちゃめちゃキレイだよ…」
彼は私の親族たちの控え室に入って来た。
私の花嫁姿が見たいキモチを抑えきれなかったよう。

「俺は引き留めたんだけど…奏弥のヤツが訊かなくて…」
兄の京弥さんも一緒だった。
彼も奏弥さんと同じ「東亜」の産科医。兄弟仲は良かった。

「だって、待ちに待った結婚式じゃん…今日だけは急なお産は勘弁してもらいたいよ…」
「大丈夫だ。その時は俺が行くから…」

「約束だよ…兄貴」

普段白衣を着ている奏弥さんの黒のタキシード姿に私の鼓動も高鳴っていた。

「遥はいい人に巡り合ったわね…」

母が私を見て涙ぐむ。
母は、白血病を患い、完治したが、その代償に子供が産めないカラダとなった私は一生結婚出来ないと思っていた。
そんな私が今日、奏弥さんと結婚する。

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