お飾りにしか⋅⋅⋅なれない

··· 一年後


あれから⋅⋅⋅⋅

   一年⋅⋅⋅⋅⋅⋅

紗雪の身体は
元通りとなった。

痩せていた身体つきも
元に戻り、史織を何より
喜ばせた。

毎日が目まぐるしく過ぎる
ありがたいことに
忙しい毎日を送っている。

来客数も減ることもない。
史織も紗雪も
1日一度は、必ず店内を回る

自分の目で見た感想を
また、父や皆と話し合い
改善するところは改善する。

あまり大きくない店舗だが
総務部、経理部、営業・企画部が
ある。
どの部も女性を中心に動いて
くれている。
とても頼もしい。

紗雪の私生活もかわり
紗雪と史織は
「LA・fonte」の近くのマンションに
移り生活をしている。
2LDKの部屋を二人で。
三輪や森山も遊びに来たり
話し合いをしたりと。

紗雪は、明日から
一週間でアメリカへ向かう。

この一年間
悠希と連絡を取り合っていた。
悠希は、仕事柄、中々
ゆっくりと話せないが
必ず、遅れても
返事をくれるし
時間がある時は、ゆっくり
話しもしてくれた。

毎日、毎日が楽しい事ばかり
ではない、辛いときもあるし
身体が、辛いときもあった
そんな時には、
私の話を最後まで聞いてくれて
励ましてくれた。

そんな私の中で
悠希の存在は
大きなものになっていた。

だが、一度失敗している私では
悠希さんに失礼だと思い
自分の中に封印していたが⋅⋅⋅⋅⋅⋅

悠希さんから
「顔を見て伝えたかったが
立花紗雪さん、俺と結婚を
前提に付き合って貰えませんか?」
と、言われて
「私は、一度失敗しています。
それに、悠希さんなら
私のような⋅⋅⋅⋅⋅
「問題ない。失敗なんてしてない。
あいつらの陰謀だ。
それに、俺は紗雪さんだから
告白をしたんだ。
俺では、ダメですか?」
と、言って貰えて
「悠希さんの存在が
私の中で大きくなっていました。
私で良ければ、宜しくお願い
致します。」
と、答えると
「良かった。電話だと
顔も見えないし
説得できない、と。」
と、言う悠希さんに
「悠希さんが
 弱気な事を言うなんて。」
と、笑うと
「紗雪の気持ちがあるから
自分だけで、突き進む事はできない
からな。」
と。
いきなりの紗雪の呼び捨てに
悠希さんは
「紗雪も、悠希で良い。」
と、言われたが
「善処します。」
と、答えるのが精一杯
悠希さんは、そんな私を
笑っていた。



間もなく、空港に到着する。
不安?⋅⋅⋅⋅⋅
期待?⋅⋅⋅⋅⋅
ドキドキしていた。
< 33 / 54 >

この作品をシェア

pagetop