隣の不器用王子のご飯係はじめました
見ないふりをしていた感情



「完全に捻挫ね。しばらくは絶対安静!一週間もすれば治るわ」



結局、私は遠坂くんにお姫様抱っこされたまま保健室まで運び込まれた。

養護教諭の先生に「あらあら」と微笑ましそうにされたのも、かなり恥ずかしかった。



「でも先生、私実行委員で、まだ片付けの仕事が」

「そんなの他の人に任せちゃいなさい。小野山さんは午後からはこのまま保健室から観戦したら?ここなら涼しいし快適でしょ?」

「はい……」

「ったく、そもそもこんな暑い時期にこんなイベントやるなんて正気じゃないわよね。あーあ、今年はどうか熱中症で倒れる生徒が出ませんように」



先生はそう言って立ち上がり、廊下側の扉を開く。



「先生、ちょっと外の様子見てくるわ。彼氏くん、小野山さんがちゃんと大人しくしてるよう見張っておいて。あ、念のため言っとくけど、ベッドがあるからっていかがわしいことするのは禁止ね」

「いかっ……先生!遠坂くんは彼氏じゃありませんから!」



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