ネトゲ女子は結婚生活を楽しみたい!
宮ノ入本邸
ピンポーン、ピンポーン

宮ノ入(みやのいり)本邸のインターホンのボタンを容赦なく連打した。

有里(ゆり)様!?」

黒服のSP達が何事かとバタバタと足早に出てきたけれど、私の姿を見て、なにかを悟ったらしい。

「泊めてください」

背中にリュック、手には旅行バッグを持って現れたとなると、夫婦喧嘩だと思われて当たり前だ。
しかも、半泣きの私を見てSP達は『厄介なことになった』という顔をしていた。

「は、はあ、まあ。とりあえず、客室を用意するよう申し付けます」

「テレビある部屋がいいです。後、ネット接続できる部屋で」

「わかりました」

ワケアリだと思ったらしく、深く聞いてこなかった。

「会長は夕食の時にお会いになるそうです」

そう言って案内してくれた部屋はホテルのスイートルームなみの広い部屋でリビング、寝室にわかれていて、バスルームもついている。
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