直真(なおさだ)お兄様がいらっしゃるってお父様に聞いて、今日から私も働かせてもらうことにしたんです」

なんだ?なんだ!?
明らかに直真さん狙い。
隣に私がいたのにがっつり無視っ!?

直真さんは突き飛ばされた体を支えてくれていたけど、笑顔はキープしていた。
さすが長年、演技力を(つちか)ってきただけある。
私の方はすでに顔がひきつっているというのに。

瀧平(たきひら)社長の娘の姫愛(ひめ)さんでしたよね?」

「覚えててくれたんですか?嬉しい!

見るからにお嬢様な姫ちゃん―――姫愛ちゃんはブランドのパステルカラーのスーツにピンクのネイルをして、可愛い顔をしている。
胸もあるし。

「直真お兄様。私が社内を案内しますね?」

姫愛ちゃんはさっと腕を組んだ。
よく見ると、わざとなのか、胸を直真さんの腕にくっつけている。

なんて女だよ!?