ネトゲ女子は結婚生活を楽しみたい!
ネトゲでも、ここまでやる姫ちゃんは―――まあ、いるかもしれないけど。
いやいや!そうじゃない。

「姫愛さん。これから、妻と勉強のために各所を回りますから、今日の所は失礼します」

そう言いながら、直真さんはスッとうまく腕を抜いた。
『なんだ、コイツ、慣れている!』と、この場の誰もが思っていた。
これだから、モテる男は。

「それじゃあ、有里(ゆり)。行こうか」

「あ、はい」

私の手をとると、直真さんはにこやかな笑みを浮かべたまま、エレベーターに乗った。
ぱたんとドアが閉まると同時に顔つきが険しいものに変わった。
おいおい!?さっきまでの紳士はどこ行ったよ!?

「あれが社長の娘だ」

一気に声のトーンが落ちた。

「元気な子でしたねー」

「他に言うことは?」

「特にないです」

沈黙―――直真さんをチラッと見ると目が合った。

「まあ、いい」

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