西岡三兄弟の異常な執着
失踪
それから水樹達は、必死に仕事をこなした。

ほぼ毎日三兄弟に怒られ、その度に花苗が必死にフォローする。
すると朱雀が水樹達を庇う花苗を見て、水樹達に嫉妬してまた怒られる。
その繰り返し━━━━


そして三週間が経った。
まだ全然慣れない、水樹達。
しかし三兄弟がいない日中は、作業を比較的肩に力を入れずに出きるようになっていた。

山田以外は、日中花苗と少し話をしたりして心を癒されていた。
しかし元々山田は、真白に憧れこの仕事を希望したのもあり、花苗に日に日に嫉妬心を膨らませていた。

真白は花苗によく甘え、ゲームをして遊んでいる。
朱雀も嫉妬はするが、黄河や真白には比較的花苗と関わることを許している。
その為か、とても仲が良い三兄弟と花苗。
嫉妬心は、膨れ上がり止まらない。



ある日のお昼のことだった。
今日は山田と斉藤の二人だけの勤務日で、斉藤は買い物に出かけている。
「花苗様、今日はお外でランチにしていただけませんか?」
「え?」
花苗は、三兄弟と一緒以外は外には出ない。
だいたい日中は部屋で雑誌を読んで過ごしたり、庭師の庭の花の手入れを手伝ったりして過ごしている。

山田はなんとか花苗を外に出して、知り合いの男に襲わせ、花苗に痛い目を見せようとしていた。


「食材がなくて……
だから、斉藤さんが買い物に行ってるんですよ」
「そうなんですね。
でも……私は一人では外に出られないんです。
ごめんなさい。
斉藤さんが帰ってくるのを待ちます」

「どうしてですか?」
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