西岡三兄弟の異常な執着
軟禁
ある休日。
いつものように、二階リビングで四人が団欒中。

ノックの音がして、森宮が入ってきた。

「花苗様、お手紙が届いております」
「え?ありがとう!」
森宮から受け取り、中身を確認する花苗。

「………ん?同窓会?」
「花苗、何?」
花苗の腰を抱いていた朱雀が、横から覗き込んだ。
「高校の同窓会の案内みたい!」
「ふーん」
興味のなさそうな、朱雀。
反対に花苗は、顔を綻ばせた。

「花苗」
「へ?」
「行きたいの?」
「え?あ…」
黄河と真白が、花苗を見つめていた。

「ダメかな?」
花苗は、朱雀を見上げて言った。
「ダメだよ」
「え?」
「だって、今月末の金曜日の18時に駅集合って書いてあるよ」
朱雀が手紙を指差して言った。
「うん、そうだね…」
花苗も再度手紙を見た。

「「じゃあ…ダメだな!!」」
黄河と真白が声を合わせた。
「でしょ?」
朱雀が黄河と真白に向き直った。

「え?どうして?」
「え?って、わかんないの?
18時なんて、僕達がちょうど帰ってくる時間だよ?」
「花苗がいないなんてあり得ないだろ!?」
「苗、俺達から離れていいと思ってるの?」
三兄弟が、それぞれ答える。

「特に僕には無理だよ?
仕事中以外で、花苗と離れるなんて……!」
そう言った朱雀は、更に花苗に顔を寄せた。
「や…/////朱雀…」
「それに……どうして僕や兄さんや真白以外の外界の人間が、花苗を見るの?
そんなのあり得ないよ?」

そしてそのまま、花苗をソファに押し倒した。
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