「王子、いつも笑ってるんですね」
「人形だからだよ……」
高校一年の紬は、ある日、押入れから、昔作った失敗作のフェルト人形が、よちよち歩いて出てくるのを見た。
「私は王子だ」
と名乗るその人形に、異世界に連れ去られた紬は、作りかけの人形をすべて完成させるように言われる。
この世界の戦いは、人間が人形に乗り移ってするものだからだ。
「ところで、お前の作ったこの身体、首が常時傾いている気がするのだが……」
「気のせいです」
「傾いて……」
「気のせいです、王子」
(この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。)
ボボちゃん様、素敵なレビューありがとうございました(⌒▽⌒)