離婚するので、どうぞお構いなく~冷徹御曹司が激甘パパになるまで~
 嫌だ。やめて。今は気づかれたくない――。
「花音、まさか……」
「さようなら。戻ってきたら、離婚届は必ず提出してください。受理通知で確認させていただきます」
 気力を振り絞って立ち上がり、冷たくそう言い放つと、私は黎人さんを置いてレストランを後にした。
 彼が最後にどんな表情をしていたかは、私は知る由もない。
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